林家二楽師匠の紙切りの技を切る

畑佐一味(パデュー大学/ミドルベリー大学日本語学校)
khatasa@purdue.edu

  

背景

本プロジェクトは寄席演芸の一つ「紙切り」をより深く楽しむために、現役の紙切り師林家二楽師匠にご協力いただき、その技を分析、紹介することを目的としている。

「紙切り」とはどんな芸なのか

「紙切り」と「切り紙」の違い
お客さんからの多様なリクエストにどのように対処するのか?
これから切る絵の構図をどのようにしてきめるのか?
下書きをしないで切っていく為に必要な段取りは?その技は?
練習はするのか?
途中で失敗することはないのか?

LAST ARTISANS - Kamikiri (NHK BS)
2011年4月放映
NHK BSで放送されたプログラム。英語で紙切りを紹介してくれている。

 

You Tube - 紙切り師の技を切る- パート1

紙切り芸ではお題をもらった後、すぐに切り始めるため、演者がどように絵を切っているのかを細かく観察することができない。さらに、演者は体を動かしたり、紙を動かしたりすることで、どんな絵を切っているかを客に悟られないようにしている。


そこで、その過程を可視化するために、師匠が切り慣れている「弁慶」というお題を一筆書きで描いてもらうことにした。はさみで切るのではなく、ボールペンで「切る時と同じように」描いて下さいとお願いした。すると、イメージを右下の足の部分から描き始めること、紙を回しながら描いていることなど、通常のイメージの捉え方、描き方とは大きく違っているのが分かる。

 

 

You Tube - 紙切り師の技を切る- パート2

「弁慶』を再度一筆書きで描いてもらうようにお願いしたが、半分描いたところで一旦やめてもらった。そして、そこまで描いた前半部分を別の紙で覆ってから、残りを描いてもらった。出来上がった絵を見ると、見事につじつまがあっている。

 

 

You Tube - 紙切り師の技を切る- パート3

もう一つ切り慣れている「桃太郎」の一筆書き。桃太郎が犬にきびだんごを上げている場面なので、桃太郎と犬が向かい合っている構図になる。二楽師は右を向いている犬を描く時に、紙を裏返して、背中側から描いていることが分かる。これは、人物/動物は必ず背中から切るという正楽一門の切り方を守っているからである。二楽師は人物が向かい合っている構図の絵を切る時、必ず紙を裏返している。

 

 

 

You Tube - 紙切り師の技を切る- 番外1

「弁慶」をタートルグラフィックスというコンピュータの手法を用いて、はさみの動きが分かるように再現してみた。紙切り師はどちらの方向にどのぐらいはさみを進めるかというベクトル的な手順知識を訓練を通して身につけたものと推察される。

 

 

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